相続について、まず税理士または司法書士に相談すべき理由

 相続は、専門的な知識だけでなく実務経験による応用力が求められます。

 これは、相続が発生する・発生したご家族、資産状況や生前対策、さらに税理士をはじめとする専門家の関与により、相続の結果は全く異なるものになると思います。

 時が経ち相続により世代が変わり引き継がれるように、例えば法律が新しくなり相続課税の対象が拡大したことや財産の形が現金だけでなく外貨や仮想通貨のようなものが増えた、など相続の形も日々新しいものへと変わっていきます。

 相続のような時の流れに対応するためにも、ご家族全員ではいつか来るであろう引き継ぎの準備を行い、相続が発生する前・発生した後にスムーズで適切な相続が達成できるよう、安心して任せられるような税理士その他専門家に相談・依頼することが望ましいでしょう。

 当記事では、一件一件内容が異なる相続の相談・手続きについて、予定被相続人・相続人またはご遺族の方が、相続業務に携わることが多い、税理士・司法書士・弁護士・行政書士のどの専門家に依頼すべきか説明します。

 タイトルでは、税理士または司法書士に依頼することを勧める記述をしておりますが、弁護士または行政書士に依頼することが望ましいケースにも触れますので、ご確認ください。

相続税に強い税理士なら、長野県松本市の小沢税務会計事務所

【相続に関わる専門家】

・各専門家の基礎知識と具体的にできること

 相続の生前対策や、相続発生後に相談・手続きを依頼する専門家として主に4種類の業種があります。

 ・税理士
 ・司法書士
 ・弁護士
 ・行政書士

 各職種の基本業務と相続において具体的にできることを説明します。

 

 <税理士>

 税理士の業務は、以下の3つになります。

 

・税務代理

 納税者自身が行うべきことである申告などを代行すること

・税務書類の作成

 各種申告書・届出書などの書類の作成をすること

・税務相談

 納税者から相談に受け答えすること

 

 これらのことを業務として行うことが、税理士のみ許されています。

 一般的な会計事務所では、税務顧問を通じた法人・個人の会計入力、決算書・申告書の作成、経営サポートなどを主な業務としています。

 他にも、資産税や相続、コンサルティングや投資など各事務所の強みを生かした業務も併せて行っていることが多いです。

 

 相続において具体的にできること・やっていることは、以下のようなものがあります。

相続税の申告
準確定申告
相続財産の評価
生前対策などの相談業務

 税理士は税金の専門家になりますので、被相続人・相続人に代わり、税法に基づいて正しい申告・手続きを行い、相続税などの面で有利に進められるように尽力します。

 相続税が発生するケースや、配偶者控除や小規模宅地等の特例など申告が必要な制度を適用するケースでは必ずと言っていいほど依頼が必要になるでしょう。

 <司法書士>

 司法書士の業務は、以下の4つになります。

 

・登記又は供託に関する手続についての代理

 不動産の権利に関する登記に関する登記申請手続のほか、会社・法人に関する登記申請手続及び抵当証券法に基づく抵当証券交付申請手続などをいう

・裁判所、検察庁又は(地方)法務局に提出する書類の作成

 裁判所に提出する書類とは訴状や準備書面を指し、検察庁に提出する書類とは告訴状等を指し、法務局・地方法務局に提出する書類とは、登記申請書のほか、登記原因証書となる売買契約書等をいう

・法務局長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続についての代理

 審査請求とは、不動産の権利に関する登記についての登記官の処分が不当であるとする者が(地方)法務局長に対して行う不服申立てをいう

・簡裁訴訟代理等関係業務

 簡易裁判所における訴訟手続、支払督促手続、民事保全手続、民事調停手続等であって、簡易裁判所の事物管轄に属する事件について代理することをいう

法務省 司法書士の業務 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji115.html(2018年9月20日)

 一般的な司法書士事務所では、不動産や会社法人などの登記、債権回収や過払い金の請求などの債務整理などを主な業務としています。

 認定司法書士の場合には、簡易裁判所の民事調停などにつき代理人を務めることもできます。

 

 相続において具体的にできること・やっていることは、以下のようなものがあります。

土地建物など不動産の所有権移転登記
遺言書
成年後見制度
登記簿謄本などの収集

 司法書士は、やはり相続財産に不動産が含まれているときには依頼が必要になるでしょう。

 不動産の名義変更に係る登記は、司法書士の独占業務となっています。

 遺言書遺産分割協議書にも正確な不動産の情報を記載する必要があることから、遺言書の作成などにも力を入れています。

 また、相続放棄の書類を作成することもできます。

 近年活用される制度である、高齢などにより判断能力が低下した人の財産管理などを代理して行う成年後見制度では、成年後見人として選任される件数は司法書士が最も多くなっています。

 

 <弁護士>

 弁護士の業務は、以下になります。

 

・民事事件、刑事事件の弁護、裁判所への代理出廷、交渉

 

 これらのことを業務として行うことが、弁護士のみ許されています。

 一般的な法律事務所では、過払い請求・慰謝料請求などの債権問題や離婚問題、相続問題、刑事・民事事件の弁護、代理出廷、示談や交渉などを主な業務としています。

 六法と呼ばれる憲法・民法・刑法・会社法・民事訴訟法・刑事訴訟法の分野に関することは、すべて弁護士が行うことができます。

 

 相続において具体的にできること・やっていることは、以下のようなものがあります。

遺留分減殺請求
遺言書
相続人の代理、交渉
裁判での代理

 遺産分割協議でどうしても話し合いがまとまらない、など相続でどうしようもないトラブルが起こった場合や、遺留分を侵害している遺産分割が起こる際の遺留分の請求遺言作成の相談などを行っています。

 相続人同士で争っており、調停や裁判までいってしまうケースでは依頼が必要なるでしょう。

 

 <行政書士>

 行政書士の業務は、以下になります。

 

・官公署に提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務

 

 一般的な行政書士事務所では、建設業・配送業・風俗営業などの許認可申請、道路使用許可、法人設立や定款作成、各種契約書の作成などを主な業務としています。

 いわゆる許可書などの形式のある書類を作成するケースで依頼することになります。

 

 相続において具体的にできること・やっていることは、以下のようなものがあります。

自動車など動産の名義変更の代行
遺言書
戸籍謄本などの収集
分割協議書の作成

 動産の名義変更戸籍謄本を集めることなど、書類を用意することや手続きが煩雑であるものを相続人に代わり行ってくれます。

 遺言遺産分割協議書の作成なども代行します。

相続税に強い税理士なら、長野県松本市の小沢税務会計事務所

【まず、税理士または司法書士に依頼すべき】

 当記事では4種類の業種を挙げましたが、前節に記述の通り、それぞれ専門分野・得意分野が異なります。

 そのため、1つの相続案件について複数の専門家に依頼する必要も出てきます。

 当事務所のように税理士・会計事務所の業務を超える部分については、連携している司法書士・弁護士などの他の専門家に、当事務所から直接依頼するような事務所もあります。

 そのようなことを踏まえても、まず先に、税理士または司法書士へ相談・依頼すべき理由を説明します。

 

・生前の相続対策の観点から相談すべき理由

 まず、生前に相続対策を行う理由は、主に2つあります。

 

① 税金対策(相続税・贈与税などの抑制、早期の財産移転など)

② 予定被相続人の意思による遺産分割(遺言による遺産分割など)

 

 いずれも、財産を譲り渡す予定の人である予定被相続人が相続に介入することが理由になっています。

 配偶者や子など予定相続人の税負担や手続きの負担をできる限り軽くすることを考えての相続対策となるでしょう。

 生前に相続対策を行うことは、相続税の軽減につながり、スムーズな相続を達成しやすく、とても大切でありご親族のことを考えた素晴らしいことです。

 そろそろ相続のことも考えなければならないな、と思った際に、どの専門家から相談・依頼すべきか理由別に説明します。

 

① 税金対策

 税金対策は、まず税理士に相談・依頼をしてください。

 

 税理士だけが税金の専門家であり、相続税を計算した上で対策ができます。

 相続税がどれくらいかかるか計算することは、相続税を抑えることにつながり、予定相続人により多くの相続財産を残すことができます。

 また、今後相続が発生した際の手続きなども相談でき、保険や不動産などを活用する場合も一緒に関与・検討することができます。

 相続対策により予定される税金が減ったり、財産が圧縮され、予定相続税がゼロになるケースもありますが、相続税が発生する場合では予定被相続人が亡くなった際の相続発生後の申告業務まで一貫してスムーズに行うことができます。

 

 詳しくは、 相続が発生前の方へ をご覧ください。

 

② 予定被相続人の意思による遺産分割

 予定被相続人の意思による遺産分割は、基本的に税理士または司法書士に相談・依頼することを検討してください。

 

 まず、税理士を挙げる理由として、税金や遺留分を考慮した遺産分割を提案することに最も長けていることです。

 どの財産を誰にどれだけ譲り渡すかなどの遺産分割の方法により将来発生する税金が変わることもあるため、遺言など予定被相続人の意思決定による遺産分割でその分割内容を決定することに力を発揮します。

 予定被相続人の意思を尊重したうえで税金などを考慮して遺言などを作成することが望ましいので、司法書士や弁護士などの専門家とも連携を取ります。

 相続税や遺留分を考慮しつつ遺言などを作成するケースには、まず税理士に相続税の計算や対策を依頼して、そこから不動産がある場合は司法書士、遺留分などトラブルになりそうな場合は弁護士、自ら相続の知識があり かつ不動産がない簡単な遺言であれば行政書士、と依頼することがいいでしょう。

 

 遺留分については、 相続における公平を保つための特殊な権利 ~代襲相続と遺留分~ をご覧ください。

 

 次に、司法書士を挙げる理由として、正確な情報を盛り込んだ遺言などを作成できるためです。

 ここで先に弁護士や行政書士を挙げない理由としては、相続では建物や土地などの不動産があることが多いためです。

 不動産については、登記などの手続きが非常に煩雑であることから、不動産が絡んだ相続では司法書士に手続きを依頼することが多いです。

 相続のほとんどのケースでは、被相続人の財産の中に、自宅や田畑、貸地など不動産は含まれているはずですので、司法書士は必ずと言っていいほど関与することになるでしょう。

 不動産があるケースでは、まず司法書士に相談することが望ましいでしょう。

 不動産はあるが相続でトラブルになりそうなケースは、まず司法書士に依頼して、状況に応じて弁護士に相談する形になることが多いでしょう。

 不動産がなく遺言の内容に不安がない場合は、行政書士に依頼することが報酬が安く抑えられると思います。

 ただし、遺言については公証人役場で作成することが最も安全であるため、あくまで自分で遺言を作成する場合に限られます。

 

 このように生前の相続対策としての税金対策は、制度特例の活用にしても早期の財産移転による財産圧縮にしても、税金対策や財産運用計画を通じて、できるだけ多くの財産を残すことを目的としています。

 また、遺産分割については、財産所有者である予定被相続人の意思により、どのように財産を譲り渡すかの決定とその手続きをスムーズに行うことを目的としています。

 言い換えれば、生前の相続対策に求められているものは、一番お得な財産移転方法財産所有者の意思を汲んだスムーズな相続手続きだということです。

 この2つの両方が成り立つ相続対策が、最も良い相続対策であると考えます。

 

・相続発生後の手続きの観点から依頼すべき理由

 まず、相続発生後に依頼が必要であろう手続きは、主に2つあります。

 

① 相続財産の取得の一連の手続き

② 被相続人の税金の申告(相続税申告・準確定申告など)

 

 いずれも、財産を譲り受ける相続人が財産を取得することが理由になっています。

 財産を取得するための手続きを適切かつスムーズに行うことや、煩雑な手続きを代行してもらうために専門家に依頼することになります。

 相続が発生したがまずどうすればいいか分からない、納税額をできるだけ安くしたい、と思った際に、どの専門家から相談・依頼すべきか手続きごとに説明します。

 

① 相続財産の取得の一連の手続き

 相続財産の取得の一連の手続きについては、基本的に税理士または司法書士に相談・依頼することを検討してください。

 

 まず、税理士を挙げる理由として、税金などを考慮した相続を提案することに最も長けていることです。

 さらに、申告が必要なケースでは税理士への依頼が必要となるため、合わせて財産取得のために必要な書類や手続きなどの相談を受けることができます。 

 

 次に、司法書士を挙げる理由として、不動産の名義変更に係る登記ができるためです。

 建物や土地などの不動産については、登記などの手続きが非常に煩雑であることから、不動産が絡んだ相続では司法書士に手続きを依頼することが多いです。

 相続のほとんどのケースでは、被相続人の財産の中に、自宅や田畑、貸地など不動産は含まれているはずですので、不動産があるケースでは、司法書士は必ずと言っていいほど関与することになるでしょう。

 遺産分割協議においても、不動産の調査などで力を発揮してくれます。

 ここで先に弁護士や行政書士を挙げない理由としては、相続では税金が発生する場合や建物や土地などの不動産があることが多いためです。

 

② 被相続人の税金の申告(相続税申告・準確定申告など)

 被相続人の税金の申告は、税理士に相談・依頼をしてください。

 所得税や消費税の準確定申告は、給与所得のみの方や比較的規模の小さい個人事業者などの場合だと慣れている人であれば個人でもできますが、相続税の申告に関してはかなりの専門知識がいるため基本的に税理士に依頼してください。

 相続税の申告は、税金が発生しない場合でも小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などを適用するためには必要であり、また、評価後の相続財産が基礎控除を超えない場合でも申告をしたほうがいいケースがありますので、ある程度の財産を持つ人が亡くなられた際には、税理士に相談・依頼することが望ましいです。

 詳しくは、 相続が発生された方へ をご覧ください。

 

 このように相続発生後の財産取得の手続きについては、相続手続きを1からやってほしい、遺産分割は済んでいるため名義変更だけやってほしい、できるだけ相続税が発生しないような相続を提案してほしい、など目的が異なります。

 しかし共通していることは、相続発生後に求められているものは、適切でスムーズな手続きかつ支払うべき税金を少なくし、相続人が被相続人の財産を譲り受けて相続を達成することだということです。

 これらがすべて上手くいく相続後の手続きが、最も良い相続であると考えます。

 

・相談・依頼すべき専門家のまとめ

 (予定)被相続人の意思を継いだスムーズかつ適切な相続を達成するために、どの専門家から相談・依頼すべきか、私なりの考えを述べますのでご覧ください。

 

 前節の説明を踏まえて、相続の相談・依頼をする目的ごとに簡単にまとめたものが以下になります。

 『 → 』は、相談・依頼する順番を示したものになります。

  

生前の相続対策

① お金に関するすべてのことや相続の流れ・準備について = 税理士

 ①-⑴ 自分で遺言を作成したい(不動産あり) = 税理士 → 司法書士

 ①-⑵ 自分で遺言を作成したい(不動産なし) = 税理士 → (行政書士)

②-⑴ 相続の内容に不安はないが、自分で遺言を作成したい(不動産あり) = 司法書士

②-⑵ 相続の内容に不安はないが、自分で遺言を作成したい(不動産なし) = 行政書士

③ 相続発生時にトラブルになりそうである = 税理士または司法書士 → (弁護士)

④ 成年後見人のみ依頼したい = 司法書士または弁護士

 

相続発生後の手続き

① 相続税申告・準確定申告(所得・消費など)が必要になりそうである = 税理士

 ①-⑴ 相続財産に不動産が含まれている = 税理士 → 司法書士

 ①-⑵ 相続財産に不動産が含まれていない = 税理士 → (司法書士または行政書士)

 ①-⑶ 相続人同士でトラブルになっている = 税理士 → (弁護士および司法書士)

②-⑴ 財産が少なく相続税などの申告が必要ではない(不動産あり) = 司法書士

②-⑵ 財産が少なく相続税などの申告が必要ではない(不動産なし) = 行政書士

 

 もっと簡単に説明してしまうと、

 

財産やお金に関すること → 税理士

財産に不動産があるなら → 司法書士

相続人同士が争っていてどうしようもない → 弁護士

遺産分割協議書や遺言などの代行だけ → 行政書士

 

 となります。

 

 相談・依頼する順番を間違えてしまうと二重の依頼料がかかってしまうため、何が目的なのかしっかり考えてから相談することが望ましいです。

 例えば、弁護士に相続手続きの相談をしていたが申告が必要になことが分かり税理士にも依頼するようになってしまった などの場合には弁護士にも税理士にも依頼料がかかることが想定されます。

 また、行政書士に相続手続きの相談をしていたが申告が必要になることが分かり不動産も所有していた などの場合には行政書士にも税理士にも司法書士にも依頼料がかかることが想定されます。

 

 ただし、最も考えなければならない事項として、どの専門家もあくまで業務として行う権利を有しているだけであって、専門的な知識や多くの経験があるかどうかは、また別の話であるということです。

 

 税理士に関して言えば、相続の申告をできる・相談を受けられる『権利』があるだけであり、実際に適切な申告ができる・正しい解答ができる、ということではないのです。

 相続について専門的な知識を有しているか、案件を多くこなしていて経験が豊富であるか、などは一見では分かりにくいことではありますが、状況に応じた相続業務に強い専門家に依頼できることが望ましいです。

 

 

 

 最後になりましたが、相続に関しての相談はまず税理士を選ぶことがいいと思います。

 他の専門家は、書類などの手続きを代行することを主に業務としていることが多く、その内容に関わるだけの知識をほとんどの人が持っているということはないだろう、というのが私たちの考えです。

 多くの案件に関わってきた税理士からすると、相談・手続きの流れについて他の専門家が解答できるようなことは、相続に強い税理士であれば全部できる、ということだそうです。

 これは、税理士の独占業務でもある相続税の申告等が、相続の手続き全ての最後になるためです。

 また、相続に必要である申請書、遺産分割協議、遺言、相続人の権利など、すべてを踏まえたうえでなければ適切な生前対策や申告手続きは進められないと考えられるからです。

 そのような意味では、税金面について、税理士以外は被相続人・相続人全員の有利不利や有益不利益はあまり考えなくてもできる業務が多いとも言えます。

 

 もちろん、不動産の名義変更の登記であったり、裁判に代理人として出廷する、というような他業種の独占業務はできません。

 しかし、インターネットなどが普及している時代で、相続に必要である申請書や遺産分割協議書、遺言などの書き方などは、検索しても本屋に行っても調べることはできます。

 遺言も公証人役場で作ることが最も安全であり、専門家などに相談して作るような自筆証書は無効になる可能性もあります。

 銀行に行けば預金の払い戻しの方法も教えてくれますし、動産の名義変更は車のディーラーや株などの証券会社が手続きを進めてくれるはずです。

 

 やはり、相続について相談するならば相続の『内容』について相談することを第一の目的とするべきであり、適切な相続を達成するための相続の中身に踏み込めるのは、相続に対しての豊富な知識をもつ税理士が一番であると考えています。

 

【まとめ】

 当記事について、少しばかり攻めた内容となってしまいましたが、深刻な問題もあると思っています。

 相続税の課税対象となる被相続人が基礎控除の引き上げにより増えてきたことを踏まえると、今後、相続について頭を抱え、相談先を求める人も増えてくることが予想できます。

 その際に、相続の内容に踏み込める知識ある専門家が相談に乗ることで、ご親族が安心できるような回答・提案ができなければならないでしょう。

 専門家の立場からすると相続相談に限って言えば、ずさんな回答・提案をしても、ある意味責任がありません。

 例えば、遺言の書き方を相談するにしても、そこに記載される財産価値がいくらなのか、遺留分は考慮されているか、その分割で税金はどれだけ出るのか、なんてことを知らない、考えない専門家もいることが現実です。

 税理士・会計事務所においても、相続はとても専門的な知識と経験を必要とするため誰しもできることではありません。

 相続に強い税理士・事務所、と自負がある我々も実務を通して知識と経験を高めて、どのような相続についても対応できるよう努めて参ります。

 

〈こちらの記事は、2018/9/28更新記事を参考に作成しています。〉